ベトナムのお盆『鬼月』

ベトナムのお盆『鬼月』

日本では8月13日~16日くらいの時期に祖先の霊をお迎えして供養する期間
「お盆」があります。
ベトナムにも「鬼月」と呼ばれるお盆があり、
世代から世代へと受け継がれる魂を崇拝する文化があります。
魂を崇拝することは伝統的なベトナムの精神的信念です。
ベトナムでは人間は死後、魂と体の2つになると信じられています。
死体が無くなっても魂だけが残ることで、霊が成仏できないだけでなく、
悪い事が起きると言い伝えられています。

旧暦7月2日~14日までは地獄の王である閻魔大王が鬼門を開き、
先祖の霊(鬼)がこの世に戻ってくると言われています。
その為、ベトナムでは毎年7月14日~15日に家族で霊を崇拝することを大切にしています。
日本でいうお墓参りです。

7月は1ヶ月間、不運を避けるために家の中や屋外で
供養するためのお供えをする風習があります。
また、この時期(7月)は結婚式やお店の新規開店など大きなお祝い事などは控える文化があります。

家の中での供養

各家庭では神様や先祖の供養をする際には感謝の気持ちを込めて、
お米・ボイルチキン・スープ・炒め物・サラダなどの料理などの栄養価の高い
料理や新鮮な食品をお供えします。
その際はフルーツ・水・お酒・靴・お札も一緒にお供えします。

屋外で崇拝式

屋外では霊が活動すると言われる7月14日・15日の夕方に
家のない無縁仏の魂を供養をし崇拝式を行います。
その際は以下のものが供えられます。
塩・米・お粥・フルーツ・ケーキとキャンディ・水3杯・お香・ろうそく・
お金・衣類など

礼拝の最後に、庭や歩道などにお米塩を振りかけ、燃やします。
7月中は、平和と幸福を願うために何をするすべきか、
何をしてはいけないかについても説明されます。

鬼月(7月)にしてはいけないこと

●夜間の外出
⇒霊に出会いやすい夜間は外出がタブーとされています。

●お供え物を食べる
⇒霊へのお供え物を勝手に食べると災難に見舞われると言われています。

鬼月(7月)にするべきこと

●お墓参りに行く
⇒鬼月は亡くなった人にとってテトであると考えられているため、
祖先への感謝をする目的でお墓参りに行くのが良いとされています。

●お寺を訪問する
⇒僧侶の方がお経を読んだりお香を焚くなどして鎮魂の儀式を行います。

●菜食を心掛ける
⇒悪いものを避け、心を清らかにする目的で菜食を心掛けます。


ベトナムの人々にとって亡くなった魂を供養することは
人道的で崇高な人間の行為であると信じられています。
言い伝えとしてだけでなく、
大切な文化として大切に次の世代へと引き継がれています。

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